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K:又小方さんについて後程伺いたいのですが、このタイミングで今回のイベント第2回女性限定ウイスキーイベント「ラグジュアリーなひととき」~とろけるウイスキー ショコラと共に~について、2回目をさせて頂いてその事についてお伺いしたいと思います。

Q6:まず2回目を終えられて感じられた事等は、何かございましたか?
小方さん:ウイスキー女子って凄いわ。
小方さん、K:(笑)
小方さん:ウイスキー女子、元気だわ。
K:(笑)、そうでしたね、確かに。
小方さん:でもウイスキー女子はスィーツがお好きという事がよーく分かりました。
K:凄く楽しんで、皆さん召し上がって陽気に楽しく。
小方さん:選ぶショコラを最後聞いたじゃないですか。
K:はい。
小方さん:あれをお伺いしている限り、ショコラも甘いのがお好きですね。
K:そうですね。以前その中のお一人の方に伺った時にもBarへ行った際に「ビターのものを合わせた方が良いよ」と言われ「うーん」と思ったらしいのですが。そうですね、甘いものが良いのかなと思う瞬間も時々ありますよね。時々と言うのか、ありますね。そしてウイスキー女子、元気でしたね。
小方さん:そう、元気。そして甘党です。
K:元々ウイスキーは甘いので、でもウイスキーは苦いというイメージがあるのでしょうね。私も昔は苦いというイメージがあったと思います。
~ある方がご挨拶にいらっしゃり一時インタビューが中断~
K:小方さんの感じられた事は、「ウイスキーがお好きな女性は、元気だ」という事と、「甘いものがお好き」という事ですね。
小方さん:普段から皆さん、やはりウイスキーを嗜好品にしてアロマを捉えるという事をされていらっしゃるので、ショコラのテイスティングをされてもとても感性が鋭い。感受性が豊かでいらっしゃって、ショコラ側からアプローチをした見方とは異なる広がりのある世界をダイレクトに言って下さるので、凄く面白かったなと思います。
K:確かにそうですね。
小方さん:今回のイベントは、まずトランプで言えばスペードやハートなどの記号が決まっていて、その中で何を合わせるかというショコラの選び方をしています。ご参加された皆さんは、それ以外の絵柄の付いていない色んなトランプもご存知でいらっしゃって、自分の手持ちカードの中からこれとこれも面白いんじゃないという風なご提案をして下さいました。私はあくまで、あるカテゴリーの中で決められたウイスキーとの相性を選びましたから、皆さんが持っていらっしゃる知識と味覚の中から新たなコンビネーションやマリアージュを探されるというのは、興味深いですよね。
K:確かにそうですよね。
小方さん:皆さんのお手持ちのカードが凄く多いんですよ。だからやり方を変えたらもっともっと面白いイベントになると思います。
K:ええ。そうですね。
Q7:小方さんがウイスキーを愉しまれて感じられた事、イベントと共にマリアージュの為にご一緒して下さったり、又そちら以外でもご一緒して下さったりして、ウイスキーに対して感じられた事等のご感想等があったら。普段ウイスキーはそれ程召し上がっていらっしゃらないと以前お伺いしたので。
小方さん:ショコラも同じなんですけれど、興味や基礎として色んな知識を身につける事は良いと思っています。でも最後は嗜好品なので頭を空っぽにして愉しめた方が良いですよね。だからある時は文化を楽しむ、ある時は味わいを愉しむ、ある時はバックグランドを愉しむという形で、通り一辺倒の食べ方ではなくて自分の中で色んなシチュエーションを作って飲んだり食べたりして行くと面白いんじゃないかなと思いますね。
K:そうですね。
小方さん:知識を食べる事も大切だと思っています。ただ知識ばかりを食べていたら愉しめないと思います。言葉抜きで美味しい時ってやっぱりあるじゃないですか?それはとても大切だと思っています。ショコラと違ってウイスキーはBarで頂く愉しみ方もあるので、肩の力を抜いてもっと愉しんでも良いのかなと。それは私自身がなんですけれどね。
K:ええ。本当に仰る通りですね。
小方さんといつもお話をさせて頂く時に私が感じている、いつも小方さんのお話に必ず出ている言葉は、「嗜好品だから」。嗜好品と言うのは軽々しいという意味ではなくて、なので楽しんで堅い事を気にせずに、純粋に美味しい、好みだという事をもっと楽しんで欲しい、という事がいつも伝わって来ていて。その時から私も嗜好品という言葉は、凄く良い言葉と言ったら変なのですが、何て言うんでしょう、気持ちが楽になる言葉と言いますか。ウイスキーも文化や歴史をお勉強する機会も凄く楽しいです。ただ最初に私が感じたウイスキーを美味しいと思った瞬間は何も考えないで「美味しいな」と思った時から「ウイスキーが好きだな」と入っているので、小方さんが嗜好品だといつも仰る度に「そう、そう、難しく考えないで」という風に、飲み手として考えると特にそこは大事にしたいなと思いますよね。
小方さん:知識を優先させる方もいらっしゃると思うんですよ。勿論それも大事だし、まず以て知識の集積がお好きなんだと思います。自分がモノづくりのベーシックな部分を見ているので同感も出来ます。だけど最後は口に入るもの。情報にお金を払うのも大事だけれども、自分の人生の時間を楽しむ為にはやっぱりお金を使った方が楽しいと思います。折角稼いだお金だし。知識を得る事は人間の欲深さの延長上にあるもので、嗜好品としての本当の意味はその先にあるのだと思います。
K:はい。
小方さん:楽しい事とか心地良い時間は人が最後に求めるものだと思います。嗜好品とよく言う言葉は、言い替えれば時間の享受。時間を享受する事の一部に嗜好品が位置すると私は思うので、1人時間や誰かと一緒に過ごす時間を享受するために嗜好品があるのだと考えます。嗜好品は欲深い人間の満足を満たすアイテムの1つでもあります。だから中毒性も高いし。
K:そうですね。
小方さん:嵌ったらやめられない。そういうものだと思うんですよ。
K:本当ですね、有り難うございます。
小方さん:ごめんなさい、何だか哲学的で。

K:そんな、とんでもないです、私こういうお話を伺うのが大好きなので。お話を少し戻して、私がインタビューをしていて必ず伺う事がございます。
Q8:小方さんがBarにいらっしゃった時に感動された事や感激された事等何かあったら教えて頂けたらと思います。
小方さん:あったらいいなと思う事でもいいですか?
K:はい、勿論。
小方さん:やはりちょっと素敵な方から「お隣の方からです」って。
小方さん、K:(笑)
K:その様な事今迄ないですか?
小方さん:ないです。でもそういうのいいですよね、突然の出会い、そこにまだ見ぬときめきがあったらいいですよね。
K:見知らぬときめきは良いですよね。
小方さん:女性的な視点からするとあったらいいですよね。出来れば外人さんがいいです。
K:特にどの様な方が宜しいですか?
小方さん: ジョニー・デップとか。
小方さん、K:(笑)
K:特にどの時の役が宜しいですか?そういうのはないですか?
小方さん: 「ショコラ」の時でしょうか?やっぱりね。スィートダンディーな。
K:どういう役柄でしたか?
小方さん:甘いマスクだけど、ちょっとダンディーでクールで格好良くて、男を感じる。
K:ジョニー・デップさん素敵ですよね。役柄によって色々変えられるし。
小方さん:多才ですよね。子供が観ても楽しめる役柄ですしね。素敵です。
K:ジョニー・デップさんなら良い?許してあげようと(笑)。
小方さん:そういうときめきがあったらいいですよね。だったら帰らないです(笑)。
K:(笑)。
小方さん:そういうのもあっても良いと思うし、私はインテリではないですけれど定期的にこういう所で会合があっても宜しいと思うんですよね。
K:そうですね。
小方さん:何かについて語るとか。ウイスキーを飲みながら、ウイスキーについて語るのではなくて、違う事について話をしたりとかしても楽しいと思います。
K:確かにそうですね。Barの空間は又普段の空間と違ってゆっくりとお話が出来ますものね。
小方さん:変な酔い方もしないじゃないですか、Barだったら。そういうのも楽しいと思います。
K:楽しそうですね。
小方さん:後は、20代の方にとっては敷居がとても高いと思うので大人への入門ではないですけれど、何だかそういうのがあっても面白いと思います。
K:そうですね。
小方さん:若い子限定にして。
K:ええ、ええ。以前違う方ともその様なお話をしたと思います。是非参考にさせて頂きたいと思います。
小方さん:いえいえ。
K Q9:次なのですが、今後の小方さんの目指されているところ、野望をお伺い出来たらと思います。
小方さん:ハンター、一言でいえば。
小方さん、K:(笑)
小方さん:狩りに集中(笑)。
K:そうですね。
小方さん:言い方を変えると自分の軸は何もぶれていないので、やりたかった事に集約したいという気持ちがあります。今までは色んな必要なもの、例えば知識、経験、資金などを得るために進んできました。実際「仕事」とは6つのカテゴリーに分かれるものと思っています。
K:仕事が6つに?はい。
小方さん:どんな仕事も一緒なんですけれど、まず自分が出来る事、I can。出来ない事、I can’t。やりたい事、I want。やりたくない事、I don’t want。やらなくてはいけない事、I should。やらなくてもいい事。多分仕事の原理ってこの6つで全て動いていると思うんですよ。やりたくなくてもしなくてはいけない事、やりたいけれど出来ない、やりたくない、等。
K:ええ。
小方さん:今迄の6年、7年というのは「やらなくてはならない事」でした。「やりたい事」もやって来ましたけれど、でもやっぱり「やりたい事」の為に「やらなくてはならない事」もやって来たと思うんですよね。これからは「やりたい事」の為に「やりたい事」をしたいと思います。勿論「やりたい事」の為に「やりたくない事」もしなくちゃいけないんですけれど、より「やりたい事」をする為にそれが実現出来る環境作りを自分自身で作っていかなきゃならないかなと。何となく分かりますか?
K:はい、分かります。仰っている事が凄く分かります、思いますね。分かっているようで、言葉で1つ1つ出して頂けると非常に分かり易いですし、実際本当にそうだなと思います。
小方さん:多分凄く幸せの事はやりたい事が出来る、wantがcanなんですよね。それは凄く幸せな事だけれど、自分を含めた多くの人がそこにはまだ辿り着いていなくて、だから「やりたい事」の為に「やりたくない事」もするし、「やりたい事」の為に「やるべき事」もしているのかと。
K Q10:少し前に伺っていますけれど、今年の小方さんの動きとして掲載できる範囲で教えて頂けたらと思います。
小方さん:カカオ生産プロジェクトの参画、これですね。これにwantだったところにwantする。
K:やりたい事をやる。
小方さん:やりたい事がcanかどうか分からないけれどwantするって感じなんですよ。
K:ええ。
小方さん:canでありたいけれど、まだ経験が少ないのでcanまで辿り着けるか分からないけれどwantします、或いはdoします、ですかね。doしますの方が近いかもしれませんね。 wantの事をdoします。
K:良い言葉ですね、分かり易いです。
小方さん:wantの為のdoですね。それをwant の為にcanにする。何となく分かります?
K:分かります。今小方さんがされている事の全てが分からないにしろ、「されたい」という事を去年位から伺っていて、更に今年そうなる様に叶えていらっしゃる、どんどん繋げていらっしゃるのだなと本当に思います。
小方さん:人様に何かを伝えたいと思ったら勉強しないといけないので、should studyなんですよ。やっぱり何かをするには必ず通らなければいけないのが「やりたくない」けれど「やらなくてはいけない」、「やるべきである」という道。そこで妥協するかしないかでその先の見え方が違うと思うのです。
K:有り難うございます。
小方さん:すみません、哲学的な話で。

K:大好きです、そういうお話。もっともっと伺いたいのですが、
Q11:そちらに伴ってなのですが、特に女性で新たな分野に取り組まれていらっしゃると思うのですよ、小方さんは、本当に。なので、これから新しい分野をしてみたいな、でもどうなんだろう、と思われている方も多くいらっしゃると思うのですね。後に続く方もいらっしゃると思うので、その方々にメッセージか何かあれば教えて頂きたいなと思います。
小方さん:多くを望まない。何でも望まないという事ですかね、正確に言えば。あれもこれも望むと多分パンクすると思います。捨てる覚悟も大事だし、最後のゴールだけを見続ける強さって必要だと思うんですよ。タフさって言う感じですね。当たり前な事で全部をやって全部が上手くいくなんて事はなくて、限られた時間の中でどうやってやりくりするかという自分自身のセルフマネージメント力と、何かにぶつかった時に目標に向かって自分自身をコントロール出来るタフさだと思います。何でもかんでも多くを望んじゃうと難しいと思いますよ。
K:はい。
小方さん:私の場合だったら、やっぱり生活面では凄い安らぎとかリラックスとかそれはまず望まないですね。望んだら時間がなくなるしそれがなくても自分をコントロール出来るというコンディション作りと、モチベーションの上げ方というのが必要だと思います。あと軸はぶらさない。これは重要です。
K:はい。
小方さん:軸だけはぶらしては駄目です。軸をぶらさない為に自分をどうコントロールするかが大事だと思います。どんな仕事であっても。
K:そうですね。
小方さん:人の生き方は器用さも影響するので一概に何とも言えないんですけれど、私は不器用なタイプだからそんなにたくさんの事は絶対出来ないと分かっているので、もともと多くは望まないし、その代わり自分のこの分野だけは絶対に自分が納得いくまでやると思ったらそこはあきらめちゃいけないと思っています。別に有名になる事が目的でもないし、人様の前に出る事が目的でもない。じゃあ、私の目的って何?と聞かれたら、カカオについて「1から10迄答えられる」、「Aを聞かれたらBからZと迄答えられるようになりたい」と思っています。1つの分野でのスペシャリストになりたいと思っているので、知識と経験を積んで行く事が重要と思っています。それがどんなに時間が掛かっても。
K:はい、有り難うございます。
小方さん:でも人それぞれ違うと思います。5年以内にどうしたいとか皆目標は違うので、私的な価値観でものを申し上げればそうかなという感じですね。
K:いつも小方さんのお話を伺っていると本当にこう何て言うんでしょうね、何を自分はしているんだろうと思ったり、凄く反省するのですよね。だから小方さんのお話を伺うとシャキッとしなくてはいけない、それは凄くいい事で、でも負担に感じている言葉ではなくて、「さすがだな」という一言で片付けてしまうのは良くない事ですけれど。いつもオンとオフの区別もきちんと付けていらっしゃるし。
小方さん:だらだらの時は酷いですけれど、すっごい酷いですけれど。
K:それはそれで大事だと思いますし、そちらに秘めていらっしゃる事があるからこそだと思わずにいられないですね。
小方さん:後は人ですよね。やっぱりどんな仕事に就くであっても人間関係って凄く大事。皆と満遍なく付き合う事はまず出来ないと思うんですけれど、でも出会っていく中で尊敬に値する人に出会う事はとても大切。また、自分の出会った人の考えや行動をなどを自分の頭の中で一度噛み砕いて、その上で自分自身を見る事が重要だと思います。そういう見方を重ねて初めて自分を客観的に見る事が出来るようになります。時には誰かに対する負けん気の強さも必要だと思います。特に仕事においては。
K:そうですか。
小方さん:そんな感じです。まとまっているかまとまっていないか難しいですけれど。
K:いえいえ。
Q12:小方さんがショコラをこれからお好きになる方に対して、何かメッセージがあれば教えて頂けたらと思います。
小方さん:Please enjoy your chocolate time! もうこれの一言です。
何故なら嗜好品だから。楽しくなければチョコレートではない、美味しくなければチョコレートではない。
K:分かりました。有り難うございました。
Kaoriの総論
小方 真弓さんとはウイスキー関係ではない場所で知り合っており、普段からプライベートでもお食事やお酒をご一緒させて頂く方でございます。いつもお話をさせて頂くと、カカオの現状を含め、お仕事について熱く語って頂いております。正に裏表がなく、真っ直ぐな方でカカオを取り巻く全てを愛していらっしゃるという事がいつも伝わって参ります。又、カカオ生産プロジェクトの参画という大きなプロジェクトを立ち上げていらっしゃり、こちらのインタビュー記事を掲載している今正に中南米にいらっしゃいます。小方さんの夢を夢では終わりにされない、その様なお姿に私は心から応援させて頂きたいと思っております。又ご一緒させて頂いてもとても楽しく、更に刺激を与えて頂いておりますので、今後も小方さんとのお付き合いを続けさせて頂きたいと思っております。
この場を借りまして、インタビュー場所を提供して頂きましたバーフィフティーンさんにお礼を申し上げたいと思います。有難うございました。
今回インタビューさせて頂くにあたりまして、Whisky Conciergeが1周年を迎えるという企画ですが、ウイスキー関係者ではない、ご一緒にイベントを開催させて頂いている小方さんを掲載致しました。小方さんはアロマやフレーバーの感性がとても素晴らしく大変お勉強になる方で、更に女性として素晴らしい方でございます。こちらをご覧になった方は、私が何故小方さんをインタビューさせて頂いたかとご理解頂けると思っております。今後もウイスキー関係者の方ではなくても、ウイスキーに関わって頂いた方をインタビューさせて頂く事もあるかと思いますので、どうぞ宜しくお願い致します。
※当時のインタビューのまま掲載、移行しております。
但し、こちらでのサイトでの公開は、現在携わっていらっしゃる方のみにしております。
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