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単独インタビュー第11弾 「信濃屋食品 北梶 剛氏、緒方 博之氏を迎えて(7)」

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(場所をBar CAOL ILAさん(渋谷))に移動して、続きをBarでインタビューさせて頂きました。)

K:Q5、スコットランドへいらっしゃいましたが、そこで得た知識はございますか?こういう感覚なの?だったり、今まで体験していない事等そういう事はありますか? 

緒方さん:ああ。 

北梶さん:肉!アンガス牛が旨かった事ですかね(笑)。 

K:確かに食べ物は大事ですものね。 

北梶さん:モルトは元々産地なので、美味しいのは承知の上だったのですが、エールが予想以上に美味しかったですね。 

K:北梶さん、マメにブログで更新していらっしゃいましたからね。 

緒方さん:意外とマメなんです。 

北梶さん:そういう時位は(笑)。

K:でも本当に凄いなと思いながら、拝見していました。 

緒方さん:そういう時は、俺はマメじゃなくなる。反対なんです。 

K:きちんと楽しんでいらっしゃるのかな?という位、ポイントポイントで書かれていたから。 

北梶さん:今回行ったときなんかはロイヤルマイルのバイヤーのアーサーと会う機会があって、ブリュードッグ のパブで飲みながらだったんですけど。色々市場の違いとかお話させてもらって。普通に日本だったらMACALLAN(マッカラン)の12年がメインじゃないですか? 

K:ええ。 

北梶さん:アーサーが、スコットランドでは10年のスタンダードなんだよ、とか言ったり。ちょっとした事が面白かったり。

K:ええ。情報交換も大事ですものね。

北梶さん:そうですね。蒸溜所に初めて行った時は意外に大雑把だなとか思ったり、逆に意外とそこまで気を遣っているんだなとか全部勉強になりましたよね。現場の人と話すのがリアルなんで、やっぱり本を読んで勉強する以上に1回行った体験の方が学ぶ事が多かったですよね。 

K:ええ。

北梶さん:具体的に何を?と言われたらいっぱいあり過ぎて(笑)、説明しきれないですけれど。 

K:ええ。結局何日間行ってらっしゃったのですか? 

緒方さん:スコットランドは8日間ですね。ロンドンは2日間。計10日間。 

K:長くはないのですよね。行く時間もありますものね。それはどの位前からか決まっていたのですか?急ですか? 

緒方さん:震災があってからですね。 

K:震災があってからですか? 

緒方さん:震災がある前に1度あって1度凍結して。 

北梶さん:原酒の存在自体が少ない樽もありますし。プライベートボトルをリリースするようになって最初はサンプルをお願いしていたんですけれど、現地に行って生産者に顔も覚えてもらわないと良い樽を出してもらえないですし、それで少し意見を交換したり。そういうやりとりがないと信頼関係も生まれないので良いものが選べないかなと思ったりして。それからは可能な限り現地に赴くようにしています。 

K:言葉に関しては問題ないんですよね?お話が出来るのですよね、お2人共。 

北梶さん:僕は全然駄目ですよ(笑)。 

K:と仰るのですけれど、コミュニケーションを取りながらですか? 

北梶さん:聞き取れるけれどすぐ返答できないとか。緒方さんの方が出来るので、分からない時は要点を絞って緒方さんに伝えてもらったり、その都度確認したり。そんな感じで。 

緒方さん:基本的に話はウイスキー用語だから。知っている言葉が多いから。 

北梶さん:そうそう。

 緒方さん:100%分からなくてもニュアンスでこういう事言っているんだなと聞ける分。 

北梶さん:分かる単語が多いですよね。 

K:そうですか。緒方さんはスコットランドへ行かれて?たくさんあるのでしょうけれど、何か得たものはありますか? 

緒方さん:うん、噂には聞いていたと言うか目で見た事がなかったのですが、凄い些細な話なんですけれど、ウイスキーは蒸溜してその地域でシングルモルトは熟成されると思っていたんです。アイラならアイラ島の何処かで、スペイサイドならスペイサイドで。 

K:ええ。  

緒方さん:意外と蒸溜してから別の地域から持って来て熟成されているという事が、倉庫の問題とかそういう事があるという事を目の当たりにしたと言うか。僕はCAOL ILA(カリラ)だったらカリラにあって潮風に当たりながら独特のフレーバーが付くのかなと思っていたら。 

K:そうですよね。 

緒方さん:思っていたらBLADNOCH(ブラドノック)のウェアハウスにカリラが置いてあったとか。 

北梶さん:GLENGOYNE(グレンゴイン)があったりHIGHLANDPARK(ハイランドパーク)があったり、BENRIACH(ベンリアック)があったり、EDRADOUR(エドラダワー)があったり。

K:ええ。そういう事はある意味軽いショックになるのですか? 

緒方さん:僕としてはそうですね。 

K:お話を聞いているとそうですよね。 

緒方さん:てっきりその地域で熟成されていると思っているからこそ、個性があるフレーバーが付くと思っていたのですが、そうでもないみたいですね。

K:ええ。 

緒方さん:蒸溜した時点で決まっているみたいな。 

K:ええ、そうですね。カリラを頂きながら想像の中ではあそこでと考えながら頂きますものね。 

緒方さん:ポートアスケイグを想像しながら。でも実はローランドで熟成してるじゃねーかよと(笑)。 

K:(笑)。色々な事情があるにせよ、最初が大事だっていう事ですね。 

緒方さん:そういう事なのでしょうね。 

北梶さん:普段飲んでいる方も知っている様で実は知らなかったり。行かないと分からないですよね。 

K:そうですよね。有り難うございます。

Q6、ここだけのお話、あまり言ってはいけないかもしれないでしょうか?お好きなウイスキーを1つずつ、蒸溜所も。ですがバイヤーとしては伺わない方が宜しいですか? 

北梶さん:それは全然大丈夫ですよ。今は何でも好きって言ったら、答えにならないかもしれませんが。思い入れがあるというのはありますよね。最初に飲んだシングルモルトで「これはブレンデッドと違うな」、と感じて美味いと思った銘柄は今でも思い入れがありますね。新しいボトリングのもので味の想像はついていても個人的に買っちゃったりしていますね。  

K:そう言えばそうですね。あるお名前もそうでしたね。 

北梶さん:今はどこが好きって言うのは特にないんですけれど。やっぱりどこも好きですね。ただ思い入れがあるのは、ARDBEG(アードベッグ)ですね。 

K:モルトを好きになると、得意、好き、もしかしたら苦手かも、というものがあったとしても色々なものを頂くと個性があってそれも含めて可愛いではないですけれど、いいなと。それがなければシングルモルト、モルトの個性はないでしょうし。 

北梶さん:そうですね。 

K:逆にこれが段々と、それからこれがこういう事なのだと、個性が分かる事によって、その蒸溜所の物だという事で好きになる事が出来るのだと思って。何て言うのでしょう。個性があるからこそ、好き好きだけではなく全部を受けられるという気がするのですよね。 

北梶さん:そうですね。皆個性がありますからね。 

K:ええ。 

北梶さん:分かり易い、分かりにくいはありますからね。シングルカスクをオフィシャルのプライベートボトルでリリースするときには、その蒸溜所のハウススタイルが良く出ている樽は可能な限り大事にしたいですね。蒸溜所の個性を知ってもらうのも自分の仕事だと思うので。 

K:緒方さんは思い入れのある蒸溜所はありますか? 

緒方さん:僕はモルト歴が浅いんで、浅いからこそスコットランドに行った時に初めて行ったSPRINGBANK(スプリングバンク)が1番印象に残っていますね。 

K:ええ。 

緒方さん:実際飲ませてもらうと全然違う。今のもそうだし、昔のもそうだし、昔のは特にうっとりするような味ですから。高いですけれどね。スプリングバンクは好きです。 

K:ええ。 

緒方さん:蒸溜所を見ても。 

北梶さん:手作り感があるからね。 

緒方さん:あそこで熟成、さっきの話と繰り返しになりますけれど、あそこで熟成するからあの様に独特の潮風みたいなフレーバーが付くのかと。キャンベルタウンは港町で本当に爽やかな風が吹いている所なんですよ。

K:はい。 

緒方さん:ああいう味になるのは納得出来るなと感じたのは、最初に行った時に感じたんですよ。 

K:スプリングバンクがあったりすると、頼もうかな、だったり、知らないものがあると飲もうかなだったり? 

緒方さん:高くなさそうだったら(笑)。 

K:ええ(笑)。そこはちょっと分かります。段々とこうね、美味しいものを求めると、それなりにしますものね。その時に頂くか、考えますけれどね、予算もありますし。 

緒方さん:うん。

K:他はないですか?スプリングバンクがやはり? 

緒方さん:うーん。 

北梶さん:CRAGGANMORE(クラガンモア)は? 

緒方さん:クラガンモアね。 

K:クラガンモア! 

緒方さん:地味な所ですが。

K:クラガンモア美味しいですよね。 

北梶さん:スコットランドへ行った時にフリーな日があってスペイサイドの蒸溜所を回ろうよ、という話になって「どこへ行く?」という話になってスペイサイドへ行くなら、(グレン)リベット(THE GLENLIVET)とか、(グレン)ファークラス(GLENFARCLAS)とかね、色々と伝統的な蒸留所が色々とある中、クラガンモアへ行きたいと言い出して(笑)。 

緒方さん:クラガンモアというより、銘柄で好きなボトルがあって、モルトが分からない時にBarで教わって飲んだら、「うわー美味い」、と思ったモルト(ウイスキー)の1つ。 

K:ええ。 

緒方さん:オフィシャルが平均して美味しいから安心出来るかなと。 

K:私も悩んだ時には、クラガンモアを頂く時がありますね。でもどういう特徴なの?と聞かれると、まだ答えられる位私知らないかなと思うのですが。 

緒方さん:うん。 

K:あれば、飲んでみたいなという気持ちになりますね。 

緒方さん:1番、と言ったら語弊があるけれど、最も平均的なスペイサイドみたいな感じ。これがスペイサイドみたいなのが良く出ているのではないかなと思いますね。 

K:人で言うと異端児的な感じではないですよね?

緒方さん:ないですね。 

K:ですよね。 

緒方さん:わりと優等生な。 

K:そうですよね。 

緒方さん:真っすぐに育ったみたいな。 

K:そういうイメージがありますよね。 

緒方さん:竹!みたいな。 

K:そういうイメージがあるのですよね。ただどういうものがクラガンモア?と聞かれると。 

緒方さん:うん、それも僕も分からない。 

北梶さん: そういう所には性格が出ますよね。僕の思い入れのあるアードベッグは異端であったり特異であったり、強烈な個性とか。そういうのがよくハウススタイルとして本に書いてあるじゃないですか。そういうオンリーワン的な存在とかが僕は好きなんで。 

K:ええ。 

北梶さん:ボトルもカッコいいじゃないですか?最初は、飲んだことも知識もなく、ただ手にとってしっくりきてカッコいいなと思って。 

K:ええ。 

北梶さん:格好から入るんで(笑)。 

K:そうね。大事、大事。 

北梶さん:そういうのがあるからアードベッグ。緒方さんは僕と違う所でクラガンモアとか。そういう所も何か性格が出ていますよね。

K:被ってしまうより違う物の方が、お話をしていても良いですよね。 

北梶さん:そうですね。同じモノを見ても見る角度が違うことが結構あるんで。 

K:そうですか。有り難うございます。(最終章へ) (6へ戻る)


※当時のインタビューのまま掲載、移行しております。

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