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K:それでは質問通りに伺わせて頂きます。Q1、お仕事内容を教えて頂けますか?私達には分からない部分があるのですよね。例えばバーテンダーの方だったら、下準備に2時間~3時間程掛けられてお掃除されたり準備されたりして、そして私達の前に立たれて、サービスを含めてカクテル等作って頂ける。どちらかと言えば、見え易いのですが。
北梶さん:なるほど、そうですね。
K:勿論それが全部ではないのですが、見える部分が有りますよね。カウンターに座っていると、何をされているか分かりますよね。
北梶さん:はい。
K:ただ北梶さんのお仕事と言うのは何となく分かっていながらも、出社されてからどの様な事をされているのかなと思いまして。
北梶さん:ええ。基本的にお酒を飲んでいるだけですよ(笑)。
K:え?(笑)
北梶さん:自分はバイヤー職なんで、お店で売るウイスキーを中心としたハードリカーのアイテムを決めて、それを店舗のスタッフに指示していくのが仕事ですね。でかい所で言えば、カスクの選定と仕入、細かいところを言うと角瓶や1,000円前後のスタンダードウィスキーを100ケース単位で仕入れて1本につき数十円の価格を交渉したりとか。そこからの在庫管理や商品の手配、お客様にお届けするまでを全部ひっくるめての業務ですね。他には、販促方法を各メーカーさんと打ち合わせをしたりとか。
K:ええ。朝出勤されてメールチェック等されて、その後は、例えばサンプル等送られて来たりもするのですか?
北梶さん:そうですね。サンプルはこちらから依頼する事も多いですね。プライベートカスク用のカスクサンプルや、新商品のサンプル等。インポーターさんには大変お手数をおかけしてしまいますが、やはり可能な範囲でしっかりテイスティングして分かった上で仕入れたいので。自分が飲んで美味しいモノだけを入れると、好みの問題もあるので、できるだけ色々なお客様の目線になってテイスティングしますね。
K:はい。
北梶さん:協力してもらっているインポーターさんにはこの場を借りてお礼を申し上げたいです。
K:北梶さんの方からお伝えする事もあるでしょうし、インポーターさんの方がこういうものが入って来たのだけれど、「北梶さんどうですか?」という風に話が来てですか?
北梶さん:そうですね。インポーターさんからこういう新商品が出ますとオファーが来て、サンプルを頂いて、テイスティングをして、うちの店は東京・横浜に13店舗あるので(7月openの渋谷店を入れて)、そこから銀座店は何本位売れるかなとか、新宿で何本位売れるかな、又ネットで何本位売れるかなとかそういうのを取り纏めて仕入れをするのが自分の仕事ですね。
K:ええ。
北梶さん:銀座店と新宿店でも売れ筋が違いますし、オンラインでの売れ筋とここの世田谷の本店、横浜も市場や状況が違うので売れ筋もだいぶ違って来るんですよ。
K:ええ。
北梶さん:それを把握して仕入れるのが重要なんで各店の市場や状況、お客様は出来る限り知っておきたいところですね。
K:まめに店舗にも足を運ばれたりするのですか?
北梶さん:そうですね。店舗に行くんですけれど、美味しいのをどういう風に提案しているかなとか、ウイスキーの飲み手にどういう風に伝えているのかなとかを知っておきたい所もあるんで、店舗に行く以上にBarに勉強しに行っていますかね(笑)。
K:(笑)。でも酒屋さんの消費者は、一般の方だけではなくてBarの方もいらっしゃるのですものね。Barに卸していると考えて宜しいのですよね?
北梶さん:そうですね。うちは業務用専門の酒屋さんじゃなくて、小売店になるのですが、配達等もやっているんで、そういう解釈で宜しいかと思います。
K:そうするとBarの方が特に銀座店の方にいらっしゃったりするのですよね?
北梶さん:そうですね。
K:どちらが多いのですか?でも店頭でしたら購入される方は一般のお客様の方が多いですよね?
北梶さん:銀座や新宿でしたら、プロの料飲店の方が多いですね。ここは(代田ワイン館)一般の方の方が多いですし。店舗によりけりですね。
K:ええ。全部調査をして、これはどの位出るかなと考えて、割り振りをして。それは修正効かないのですよね?銀座店に何本か新宿店に何本か等とは。例えば10本銀座店に入れました。それが違う店舗の方が動くから移動する等もするのですか?
北梶さん:そうですね。後は、例えば新宿店と銀座店が同じ位売れると思ってもどちらかが余っていたら、売れる方の店舗へ移動させます。その方が欲しいと思っているお客様にお届け出来る可能性が高いですし、在庫する期間も短くなるので。
K:その場合は、北梶さんがするのですか?それとも店舗同士が出来てしまうものなのですか?
北梶さん:店舗同士でも把握していれば出来るのですが、店頭に立っていると中々他の支店の状況まで行き届かない所もあるんで、そういうのは自分で指示を出すことが多いですね。
K:本当に広い視野を持っていないと出来ないお仕事ですよね?
北梶さん:そうですね。
K:ここだけを見る訳に行かないですものね。店舗の方がそこだけという事ではないのですが、より広いこうもっと広い範囲で見て行かないといけないお仕事という事ですよね。
北梶さん:そうですね。会社全体のウィスキーを仕入れて販売するには、幅広く把握しておくのは必要ですね。
K:そうなりますよね。Barにも行かないといけないですしね。
北梶さん:そう!息抜きも兼ねてなんでそこ1番大事ですからね(笑)。
K:お仕事の中で1番お時間を掛ける所はどこですか?テイスティングですか?
北梶さん:そうですね。やっぱりそこですかね。ただ飲むのが好きなんですけれどね(笑)。やっぱり飲まないとウィスキーを飲む人、買う人の気持ちは分からないし。
K:勿論そうですよね。
北梶さん:やっぱりそこが1番時間掛けてますかね。サンプルの種類も多いですので。テイスティングを重ねてお客様を見て売り上げを見て、その内にこの味でこの値段だったらこれ位で売れるなって言うのが徐々に予測がつくようになって来て。ただそのテイスティングを活かす為には、それだけでもダメなんで他の業務も全部大事になりますね。
K:(先程から頂いているウイスキーの)香りが凄く変わりました。凄く甘くなって、ピーチ感も出て。又香りも変わりました。

改めて表現と言うのは難しいと思っています。存知上げる方は広く幅をお持ちです。そう言えば北梶さんは煙草をお吸いになりますよね?勝手なイメージで煙草を吸われていると、香りが混ざってしまうのではないかなと思ってしまうのですが?
改めて表現と言うのは難しいと思っています。存知上げる方は広く幅をお持ちです。そう言えば北梶さんは煙草をお吸いになりますよね?勝手なイメージで煙草を吸われていると、香りが混ざってしまうのではないかなと思ってしまうのですが?
北梶さん:基本的にテイスティングの時と直前は、吸わない様にしていますね。ただしBarへ行っている時はリラックスして飲むお酒が多いのでそういう時飲みながら吸いますね。ウィスキーと相性が良いものもありますし、気持ち良いじゃないですか(笑)。
K:そうですね(笑)。
北梶さん: 僕とか煙草を吸ってから長いし、モルト飲みだしてからも煙草を吸っていたんで逆にやめちゃったら味覚も変わっちゃうんじゃないかなと。というのが煙草を止めない理由みたいな(笑)。
K:(笑)。確かに味覚が狂ってしまいますものね。
北梶さん:それでお客さんに「ちょっと信濃屋のプライベートボトル味が変わったよね?」とか言われても、大変ですし。理由は「禁煙です」とか言えないですしね(笑)。
K:ええ、確かに。
北梶さん:サントリーの輿水さんがブレンドをする前に、同じものを食べると言っていて。
K:そうですね。
北梶さん:極力環境は変えないと言う。禁煙しない無理矢理の言い訳に聞こえるかもしれませんが。
K:そうですね。環境を変えない方がベストな物を出せると(笑)。でも本当に凄いなと思うのですよね。
北梶さん:話大丈夫ですか?
K:まとめてありますから大丈夫ですよ。後、お仕事を終えてからのお帰りは遅いのではないですか?その様な事はないですか?
北梶さん:そうですね。僕は店舗に入っていないんで自分の仕事次第ですよね。早く帰る時はすぐにBarへ繰り出しますし、しばしば急な仕事を振られることもありますが、日付けが変わる迄遅くなる事はそんなにないですよ。あとは基本楽しくやっているんで、プライベートカスクの商品に関しての仕事でしたら遅くなっても全くいにならないですね。
K:有り難うございます。それでは次を伺いたいと思います。
※当時のインタビューのまま掲載、移行しております。
但し、こちらでのサイトでの公開は、現在携わっていらっしゃる方のみにしております。
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