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K:そして緒方さんの経歴はいかがですか?
緒方さん:僕はもう簡単です。大学を出て、ある酒屋のディスカウントに行って3年間やって、3年目のなんちゃらで辞めて、それで信濃屋にすぐ入って、それから今迄ずっとですね。
K:信濃屋さんに入ったきっかけは?
緒方さん:ディスカントストアーが郊外だったんですよ。自分としたら、東京で働きたい、真ん中で働きたいというのがあったので、あらゆる人と物とお金が集まる場所ですよね。
K:はい。 緒方さん:将来大きくなる為には、東京を知っておかなくてはいけない、と思って。都心でお酒をやるなら信濃屋だろうと。郊外でも名前は知られていましたので。
北梶さん:北海道でも知られていましたからね。
緒方さん:あそこはマニアックだよと。
K:ええ。
緒方さん:実際に来たら、凄いなと、是非やってみたいなという思いで面接を受けまして。
K:その時もすぐポンポンと。
緒方さん:紹介して下さる方もいたので。
K:そして今に至った?
緒方さん:店頭をやったりして、今ネットをやっています。中堅位の勤続年数になりましたが。
K:そうですね。8年目でいらっしゃるから。それだけ色々と期待される事だったり、信頼だったりあるわけですよね?中堅に。
緒方さん:どうなんだろう、期待…。
K:そうなると思いますけれどね。
緒方さん:粛々と。
K:有り難うございます。
K:Q4、北梶さんに質問です。「見返り美人」についてですが。先日も又頂いたのですね、本当に何回頂いているのだろうと思う位安心出来る気がして。

北梶さん: 有り難うございます。
K:私は好きだと何回も頂くのですよ。何て言えば良いのでしょう。皆さんがモルトウイスキーをどの様にして召し上がっているのか分かりませんけれど、例えばBarにいらっしゃって新しいものを召し上がって気に入られて後日購入される方もいらっしゃるでしょうし。私はたくさん購入出来るわけではないので、Barで頂く時にバックバーを見て、あれが美味しかったからあれにしよう、という決め方をするのですね。そうすると頂く回数が多くて。私がお会いする方ですが、どの方に伺っても見返り美人を頂いて「凄いよね」、と仰っていますよね。
北梶さん:ラベルも目立ちますしね。そういうお客様の感想を聴けるのが嬉しい限りです。
K:確かにラベルも目立ちますよね。知っている方とお話をして「これ知っている?」とご紹介された事もあります。
北梶さん:有り難うございます。
K:だから本当に凄いなと思っています。皆さんどうなのかしら。私はBarに行ったら、昔はバックバーを見てボトルを選んでいたのですよね。ウイスキーを中心に頂くまでは、ジャケ買いと一緒で。その様な感覚で見ると、やはり目立ちますよね。
北梶さん:そうですね。
K:最近ボトルも遠くから見ると同じ様な感じに見えてしまったりして、近くに行かないと分からないものが多い中、ぱっと見た瞬間に「きっとあれはそうだよね。」という風に分かり易い。

北梶さん:(ベンリアック1976を持たれて)オフィシャルならこういった感じで信濃屋のロゴを入れたり、ちょっと変えていますけれど、基本的には同じフォーマットじゃないですか。けどうちで1樽買ってオリジナルボトルと言う事であれば、最低限記載しないといけない事は記載しますけれど、オフィシャルラベルとも全然違う風にも出来ますし。商品シートのテイスティングコメントやキャッチフレーズ以上に強いインパクトがあって、商品の顔であるラベルに、そういう表現が出来る事は楽しいですね。
K:それは以前ご一緒している時に伺ったかもしれませんが、もう1度伺いたいのですが、あちらのラベルにされたのはどうしてですか?
北梶さん:あれはですね、「和のラベル」というのをテーマにしてデザインしてもらいました。何故かと言うと後程の話に繋がるのですけれど、やはりアイコンズ・オブ・ウイスキーでロイヤルマイル・ウイスキーが1位になったじゃないですか?
K:ええ。

※1
北梶さん:それで、やっぱ(少し間をおかれ)野望としては世界1になりたいじゃないですか。そうなるには、日本のウイスキーショップならではの「和のラベル」を提案するのもアピールの1つだし、うちにしか出来ない事かなと思って。世界に出た時に、「和のラベル」であればすぐに信濃屋のボトルだ、と分かり易いじゃないですか?
K:確かに分かりますよね。
北梶さん:そんな感じで世界の色々なウィスキー愛好家の方にもアピールしたいなというのもあって、「和のラベル」にしました。アイコンズ・オブ・ウィスキーを獲得したり、少し前から海外のお客様も少しずつ増えてきて、「和のラベル」をやりたいんだっていう話もしていたので。
K:その様なお話が少し前からあったのですか?今度する時はこういう風にしたいよね、みたいな事を考えていたのですか?それとも計画的に考えていらっしゃったのですか?
北梶さん:オリジナルラベルに関しては、計画的なものじゃないですが、いつも自分の中のインスピレーションだけですよね。
北梶さん:そうそう日本資本が初めて入った蒸溜所なので、それだったらそれを機会に日本のウイスキーの歴史とかを知ってもらうのも仕事かと思って。トマーチンのそういう歴史があって結び付けたんですよね。
K:ええ。繋がり、繋がりを考えられてラベルにされて、それで成功されたという事ですよね?
北梶さん:そうですね。
K:でももうない、ですよね?
北梶さん:あ、お陰様で売り切れました。
K:きっとBarにある位ですよね。もしくは買っていらっしゃる方がお持ちというのみですよね。お会いした方で「自分は持っているんだよ」と言う方もいらっしゃいますし。
北梶さん:有り難うございます。
K:「もうないらしいですよ」、と言ったら「そうなんだ」と言ってらっしゃって。だから一期一会の部分もありますよね。
北梶さん:それがシングルカスクならではですよね、もう少し色々なお客様にお届けしたいと思うけど。そこが難しいところですね。
緒方さん:足りない位の方がいいじゃない。
北梶さん:そうそう。
K:「あー、あの時飲んでおけば良かった。」と思う位の方がね。有難味が分かりますよね。
北梶さん:そうなんです。最初300本位だよ、と聞いていて、蓋を開けてみたら200本位しかなくて。そういう事もありますし。それがあるから面白いんですけどね。
K:今選ばれているウイスキーは何ですか?の質問をさせて頂いても宜しいですか?

※2
北梶さん:いいですよ。ダンカンテイラーのキャパドニックをリリースします(既に発売済み、完売)。昨年リリースした「ユアンズチョイス」とは違うタイプの味わいなんですけれど。去年10月このベンリアックを選んだ時と同じタイミングで選んだ樽ですね。その時にダンカンテイラーで、キャパドニック好きのマーク(ダンカンテイラー)と、こんなに美味いモルトを造る蒸留所が閉鎖されるなんて勿体無いというような話をしていて。
K:はい。
北梶さん:建物自体も今まさに取り壊し中で、寂しくなるよという話になって。
K:はい。
北梶さん:なら見に行こうよ、みたいになって。
緒方さん:そうですね。そういう案内を受けてその翌日から2人で見に行ったんですよ。そしたらそれこそ解体の真最中で。
K:そうですか。
緒方さん:何かもう辛うじて壁が残っているみたいな状態で、目の前でまさに解体作業していたんです。
北梶さん:ここが蒸溜所だったんだよ、とか、例えばスーパーになっていますとかそういうのは聞くけれど、まさにぶっ壊しているのを目の当たりにする事は中々ない体験じゃないですか。それでそういうのも何かの縁じゃないかなと思って。で、それをテーマにしたキャパドニックをやろうかと。その時に緒方さんが撮った壊れかけている蒸留所を裏ラベルにしてリリースする予定です。
K:ええ。
北梶さん:次回作はそういう感じですね。
K:お写真はどちらかに載せていらっしゃいますか?
緒方さん:うーん。どこかに載せた様な気もしますね。
K:そうなのですね。少し見たい気も致します。有り難うございます。(6へ続く)
※1(信濃屋ボトルとDUNCAN TAYLOR(ダンカンテイラー) ユアン・シャーン氏)
※2 DUNCAN TAYLOR(ダンカンテイラー)にて(緒方氏 本人のご希望により)
※当時のインタビューのまま掲載、移行しております。
但し、こちらでのサイトでの公開は、現在携わっていらっしゃる方のみにしております。
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