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K:Q5 「ウイスキーの科学」の出版記念パーティがありました。ご本を出版される迄の経緯と又思いをきちんと伺えたらと思います。

吉村さん:はい。友人の試飲会で、今回お世話になったソフトバンクの編集者とお会いした事がきっかけです。ですが彼は、ウイスキーはあまり飲んだ事がないと仰っていました。
K:おいくつ位の方なのですか?大体。
吉村さん:うーん、分からないけど30代かな。
K:そうですか。
吉村さん:そこで、私が持参していたアードベッグのウーガダールを勧めたら、とても感動して下さって。「ウイスキーってこんなに美味しいんですね」と。
K:ええ。
吉村さん:それから話が進んで、「ウイスキーの本を出しましょうよ」という事になったんです。
K:その場で決まった感じですか?
吉村さん:彼の中ではもう決まっていたのでしょうね。数日後にメールが来て「上司に企画を出したら、通りました」と(笑)。
K:もう動いていらっしゃったのですね。
吉村さん:ええ。テーマももう決まっていました。
K:そうなのですか?
吉村さん:「ウイスキーと科学について書いて頂けませんか?」と。そんな事が発端ですね。
K:そうですか。でもそれまで、ご本が出来る迄どの位の期間が掛かったのでしょうか?
吉村さん:1年です。
K:1年?でも何処かで、吉村さんも思っていらっしゃったのですよね?ご本を出そうという事を。
吉村さん:ええ。ただ、テーマは自分で決めたいと思っていましたけどね。
K:でも1年ですものね。やはり掛かりますよね。又スコットランドへ行かれたりしたのですか?
吉村さん:いえ、取材には行っていません。と言いますか、随分とスコットランドへは行っていませんね。
K:そうですか。まとめてお休みを取らないと、ゆっくり出来ないですよね。行って帰って来る、だけではもったいないですものね。
吉村さん:そうですね。時間が取れなかったというのもありますが、日本にいても書けると考えていましたので。
KQ:6有り難うございます。そして今後の目標ですが、これからの目標として何かございますか?
吉村さん:執筆について言えば、「失われた蒸溜所」を何とか出版したいですね。
K:はい。
吉村さん:堀内さんの写真をメインにして、私の書いたものは巻末に置くような構成を頭に描いています。きっとその方がいい本になります。
K:お写真がメインなのですね?
吉村さん:ええ。すなわち、失われた蒸溜所の写真集ですね。
K:はい。
吉村さん: あと総括的な目標ですと、微力ながらもウイスキーの業界を盛り立てる役割の一端を担えたらと考えています。ハイボールブームでウイスキーファンも増えた事ですし、それを追い風に出来たらいいですね。
K:そうですよね。そこに便乗して日本酒のハイボールだったり。
吉村さん:あれには笑いました。最近は本当にびっくりする位色んなハイボールが出ています。でも確か、Kaoriさんはあまりお好きでないと仰っていましたよね?
K:美味しいと思うものはあります。ただ基本的に私水分がたくさん取れないのですよ。
吉村さん:炭酸も?
K:そうですね。美味しいとは思うので1杯は頂けるのですが、お腹がいっぱいになってしまうのですよね。
話が飛んでしまいましたが、それでは今後の目標としては?
吉村さん:多くのイベントに関わっていきたいですね。
K:そうですか、楽しみですね。有り難うございます。
Q7続きまして今注目しているウイスキー、後は蒸溜所について教えて頂けますか?
吉村さん:2005年に創業したアイラ島のキルホーマンは、とてもクオリティーが高いですね。今後が楽しみな蒸溜所です。

K:そうですよね。
吉村さん:アイラ島の他の蒸溜所もうかうかしていられないですよ。
K:ニュースピリッツを頂いても、味がしっかりしていますよね。
吉村さん:ええ。3年物を頂いた時も、素晴らしい仕上がりだと思いました。
K:ウイスク・イーの先日のブロガーイベントのキルホーマンのイベントの時に頂きましたけれど、本当にしっかりしていると思ったので、何か理由があるのかなと思ってしまう位ですよね。何が違うのだろうと。
吉村さん:他のアイラの蒸留所と大きく違う点は、マイクロディスティラリーと呼ばれるほど小さな規模で操業している点。1回の仕込み量がわずか1トンです。アイラ最大のカリラが13トンですから、いかに小さいかが分かりますね。ポットスチルも驚くほど小さいです。後はミドルカットの幅を短めに設定している点でしょうか。
K:ポットスチルが小さいと、美味しいウイスキーが出来るのですか?
吉村さん:ポットスチルが小さい事を誇らしげにPRしている蒸留所もありますが、クォリティーとはあまり関係がないようです。有名なグレンファークラスは、とても大きなポットスチルですしね。
K:そうですね。グレンファークラスも美味しいですよね。
吉村さん:今日でも独立経営で頑張っている、数少ない蒸溜所のひとつです。
K:私の「女性限定イベント」の時にも出しましたけれど、個人的にグレンファークラスの15年好きなのですよね。
吉村さん:そうなんですか。
K:後は、どの様な蒸溜所に注目してらっしゃいますか?
吉村さん:1968年に一旦閉鎖されてしまいましたが、2008年に復活したグレングラッソにも注目しています。
K:ええ。
吉村さん:閉鎖される前に蒸溜されたものが結構美味しいのです。とても秀逸な蒸溜所のひとつですね。
K:そうなると今後が楽しみですよね。
吉村さん:ええ、新しいグレングラッソには期待しています。
K:2008年という事は、2011年にはウイスキーが出来るという事ですよね。
吉村さん:そうですね。来年には一応3年物は出来ますけれど、もう少し寝かせてから頂きたいです。
K:ええ、楽しみですね。来年お目見えするのであれば、それはそれで。そこで頂くとその後が又楽しみですものね。
吉村さん:後は、先日創業計画がとん挫してしまったアイラ島のポートシャーロット。
K:ええ。あちらはなくなってしまったのですか?
吉村さん:この蒸溜所の為に導入したローモンドスティルが、結局使えなかったんですね。伝説のローモンドスティルだけに、楽しみにしていたのですが。
K:ええ。他には何かありますか?ぱっと思い浮かぶ事は。

吉村さん:私はグレンリベットが好きなんですが、今後どう変わって行くのか興味があります。昔も今も美味しいウイスキーをつくり続けている蒸溜所のひとつです。
K:ずっと見続けていたい蒸溜所なのですね。好きだからこそですよね。
※当時のインタビューのまま掲載、移行しております。
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